2018年10月29日月曜日

36協定の罰金

36協定とは、労働基準法36条に基づき、時間外労働、休日勤務等について労働者と使用者(会社)で協定を結んで労働基準監督署に提出する協定書のことです。

1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて、使用者が労働者を働かせるときには、この協定書を提出してないと、労働基準法違反になる。

この協定書には、一ヶ月の時間外労働時間の上限などを記入するのだが、法的にその上限も決まっている。

通常、使用者と労働組合があれば組合、組合がなくても労働者の過半数の代表と協定を結ぶ。

そして、先程もあったが36協定を結ばずに残業をさせたり、上限を超えて残業をさせると法違反になる。
法違反なんで罰があるのだが罰金だと30万円以下となっている。

会社にとって30万ならそれほど大きな金額ではないのではないかと思われるかもしれない。

しかし、法違反に1件につき30万円になる。
100人に36協定を超える残業をさせた場合は100件になる。
残業代を払っていたか否かは関係ない。
残業時間の上限を超えていたり、協定書を労働基準監督署に出さないで残業させると法違反になる。

仮に100人なら最高で3000万円の罰金になる。
当然、法的な罰金なので国庫へ収められて、国の収入となる。

なんか、これからは国が儲かりそうです。

2018年10月7日日曜日

災害反省会(検討会)

災害が発生したら反省会をすると思います。
では、反省会のやり方について書きたいと思います。

まずは間違えてる反省会

職長「お前、なんでそんな不安全行動したんだ、バカヤロー。」
被災者「すみません。」
職長「今回の災害の発生原因は、不安全行動をしたことだ。みんな、こんな不安全行動をしない事。以上」

これでは、同じ災害が再発します。反省会の目的の一つは同種災害の再発防止です!

上の事例を少し具体的にすると、

「災害事例:足場の手すりをよじ登って墜落」
職長「お前、なんで足場をよじ登ったんだ、バカヤロー。」
被災者「すみません。」
職長「今回の災害の発生原因は、足場をよじ登ったことだ。みんな、足場をよじ登らない事。以上」

被災者の不安全行動を注意して終わってます。
何故、不安全行動をしたのかが全く不明のなので再発防止につながりにくくなってます。

次に意味のある反省会の手順。
1.災害発生状況の確認
  関連設備や指示の内容など関連するものについて具体的になるべく多く集めましょう。
  それを箇条書きで書き出すと誰にでも理解しやすくなります。
  上の具体例で言うと、足場の状況などは詳しく確認しておきましょう。

2.災害発生原因の抽出
  思いつく限り出しましょう。
  対策を前提に原因を考えると、原因が限定されるので対策を関係なしに原因を考えましょう。

3.根本的な原因の洗い出し
  なぜ、その災害が発生したかが重要です。
  災害の怪我の程度が大きくなった理由は根本的な原因になりません。

2.と3.の悪い例として、墜落災害の原因で「安全帯を使用しなかった」は、「安全帯の使用」が前提の原因でかつ、「安全帯をしていても墜落して、地面まで落ちなかったので怪我の程度が軽くて済んだ」事になります。
つまり、「安全帯の使用」は墜落災害の原因には決してなりません。
「バランスを崩した」や「つまづいた」、「身を乗り出した」などの墜落そのものの原因が根本的な原因となります。

4.根本的な原因の掘り下げ
  掘り下げの手法はいろいろありますので、その一つを紹介しましょう。
  「知らなかった・出来なかった・やらなかった」による、掘り下げ。
  根本的な原因について、「知らなかった・出来なかった・やらなかった」を繰り返して原因を掘り下げましょう。
  例えば上の例では、
  「足場をよじ登った」→「よじ登ってはいけないことを知らなかった」→「よじ登ってはいけないことを教えることをやらなかった」→「よじ登ってはいけないことを知らないことを知らなった」→「知らないことを確認することが出来なった」→「確認する時間がなかったので出来なかった」→「朝は忙しいので時間を取ることが出来なかった」と掘り下げると具体的な対策色々出るかと思います

5.再発防止対策を抽出
  具体的な対策を思いつく限りだしましょう。

6.実施する対策の洗い出し
  費用や効果も考慮して、直ぐにする対策、準備をしてからする対策などに分けて実施する対策を洗い出しましょう。
  特に、大きな災害に直結する対策は、暫定的な対策でも直ぐに行いましょう。その後、確実な準備が必要な対策を行いましょう。

7.実施した対策の効果の確認
  実施した対策の効果の確認も行わなければなりません。
  良い効果があった対策については、ルールとして採用しましょう。
  効果が薄かった対策は、その対策の問題点の検討などをして、次の反省会で生かせるように記録に残しましょう。

以上が、意味のある反省会の方法となります。
ご安全に!

2018年10月5日金曜日

信頼性について2

信頼性について1の続き

6面サイコロと6枚のうち1枚の当たりのくじを3人が引いた場合に、3人それぞれが当たる確率が6分の1であることは前回説明しました。
そこで、3人全員合わせた場合(3人のうち誰か1人でも当たる)の確率ですが、
くじ引き場合は6分の1を3回足してもいいので50%となります。但し、良くても1人しか当たりません。
 サイコロの場合は単純な足し算のワケにはいきません。なぜなら、全員当たる場合等があるからです。

では、どうすればいいのか!
3人の内、誰か1人でもいいから当たる確率は、ハズレを基準に考えます
要は3人全員外れる確率を100%から引けばいいのです。
そうすると、3人全員外れる確率は
(6分の5)×(6分の5)×(6分の5)=216分の125
で100%から引くので
1-(216分の125)=0.42=42%となります。


そして、機械の可動率などを計算する信頼性はサイコロの確率になります。
6分の1の確率で故障する機械でも運が良ければ10回動かしても故障しないかもしれないからです。(実際に6分の1で故障されたら使い物になりませんが…)

信頼性の計算ですが、
2台が並列で両方故障したらNGの場合は故障が外れと考えて、
2台の故障する確率をかけ合わせて1から引けばいいのです。
例えば、3分の1で壊れる機械と4分の1で壊れる機械が並列の場合の信頼性は
1-((3分の1)×(4分の1))
=1-(12分の1)
=12分の11
=91.6%の信頼性があります。

2台が直列の場合は壊れない確率の掛け算になります。
なぜなら、両方が可動する確率になるからです。
(3分の2)×(4分の3)=12分の6
=50%の信頼性となります。

あとは、図の中のまとまりを見つけて計算する順番を考えればいいのです。

まとめると、
並列は2台同時に止まらなければいいので、2台同時に止まる確率を1から引く。
直列は2台同時に動かなければならないので、2台同時に動く確率。
となり、同時とは2台の機械のそれぞれの止まる確率もしくは動く確率をかければいいのです。

ご質問はコメントにお願いします。

信頼性について1

信頼度の計算をする前にサイコロくじ引きの当たる確率を説明します。

6面サイコロを3人の人が順番に転がし一の目が当たりとすると、3人それぞれの当たる確率は6分の1になる。

6枚のうち1枚当たりのくじの場合、3人の人が順番に引くとどうなるか。
1人目は当然、6分の1。

2人目はどうなるか。
1人目がくじが引き5枚になっているので、5分の1になる。しかし、1人目が当たれば「外れ」しかなくなることを考慮しなければならない。
つまり、1人目が外れて且つ自分が当たる確率で計算する。
1人目が外れる確率が6分の5。その後に自分が当たる確率は5分の1。
両方が起きなければならないので、その掛け算
(6分の5)×(5分の1)=6分の1
つまり、2人目も6分の1になる。
3人目も同様に
(6分の5)×(5分の4)×(4分の1)=6分の1
 と6分の1になる。

つまり、3人が引いた場合の3人それぞれの当たる確率はサイコロもくじ引きも変わらない
しかし、3人全員で考えた場合は変わります。
それが、信頼度計算に関係します。
続きは、長くなるので次回にします。

命と安全設備

命と安全設備について選択問題です!
第一問・張るならどちら?
1.命
2.親綱と防網

第二問・かけるならどちら?
1.命
2.安全帯

答えはおわかりかと思います。
では、ご安全に!

安全教育について2

安全教育の方式は、講義方式、討議方式、問題解決方式、視聴覚方式、事例研究方式、ロールプレイング方式、OJT方式、プログラム学習方式があります。
講義方式…講師が主役の一方通行!一度に大勢できるけど、理解度にばらつきがでる。
討議方式…受講者が主役!教育内容を全員が理解するけど、討議をうまく進めさせるこつがいる。
問題解決方式…問題を抽出、事実の確認、原因の抽出、根本的原因の検討、対策の立案、実施対策の検討の順でやっていく。
事例研究方式…実例をもとに問題解決をする。問題解決法式より体系的に検討しやすいけど、考え方の自由度が少なくなる。
視聴覚方式…ビデオやスライドで見て聞きながら教える。現代っ子には理解しやすい。
ロールプレイング方式…参加者に役割をあたえて、シュミレーション。役割を自覚させて、深く問題に取り組める。
OJT方式…仕事の中で直接指導。指導員の能力も大切。
プログラム学習方式…教育内容を細かく段階的にして、理解したら次に進む。受講者のレベルに合わせたペースで出来る。

どの方法を採用するかはアナタ次第!

安全教育について1

教育の種類は雇入れ時教育、特別教育、職長教育、管理者教育などがあります。
雇入れ時教育…事業主が行う、新たに雇い入れた従業員に対する教育
特別教育…事業主が行う、法令で内容と時間の定められた安全または衛生の教育
職長教育…事業主が行う、法令で内容と時間の定められた新たに職長になる者に対する教育
管理者教育…事業主が行う、管理者にたいする教育(作業主任者など)